牛久沼に行ったその次の日に亀山湖へ行くことにした。夏休みをもらったので行けるわけであり、もちろん一人での釣行である。平日にバス釣りをするのは初めてで、バスは平日によく釣れると聞いていただけに期待もふくらんだ。牛久沼から帰って夕飯を食べたらすぐに寝床に着き、明日に備えることにした。
1999年8月30日(月)午前2時半。目覚ましの音で目が覚めた。まだ少し眠いが、亀山湖へ午前5時に到着するにはこの時間に起きなければ間に合わない。昨日の牛久で日に焼けたモモがヒリヒリと痛む。今日は少し暑くてもGパンを穿いていかなければならないだろう。食事はいつものように車中で摂ることにして、荷物は昨日のまま出発することにした。
午前5時を少しまわった頃にのむらボートへと到着。さすが平日だけに駐車場はすいている。スコーピオンにABU2500C。トライフォースにカルカッタ100。バスワンXTにアルテグラ2500の3本を乗せ、出船した。さて、牛久とはやはりフィールドが違うために、投げたくなる仕掛けも変わってくる。牛久ではテキサスリグにベビーブラッシュホグを組み合わせたが、亀山湖ではストレート系のワームが強い。とりあえず、河口湖のパターンだったので、スピニングにはゲーリーの4インチイモグラブのパープルをスゴイフックの1/0と組み合わせてスプリットショットにリグった。ベイトにはやはりTOPプラグを付けたくて、スコーピオンには音の出るもの、へドンのベビートーピードを付け、トライフォースにはテラーを組み合わせた。いよいよ亀山大橋をくぐり、竹やぶ下のポイントへ入った。
ここは定番ポイントである。午後は日向になってしまうため、午前中に攻めるのがセオリーだ、と勝手に考えている。TOPを投げる。ベビトーはじゅわっ、じゅわっと音を立てて引っ張られてくる。そのあとテラーをくいっ、くいっと引き、ストップ&ゴーであたりを待つが、少し離れたところでボイルが起きだした。ベビトーの音で活性化したのだろうか。ボイルしている場所のそばへイモグラブを投げ込んだり、テラーを投げてみるが、反応がない。川の反対側へ移動。こちらはなぜかじいさんワンドと呼ばれているようだ。メインチャンネルであり、流れも速く水深も深い。そのため、ランカーサイズがたびたび上がっているらしいが、TOPは通用しないためイモグラブを一旦外し、4インチセンコーを投げた。30分くらい居たが、反応が無いため、また竹やぶ下へもどり、そのままセンコーを投げたところ、根がかり。イモグラブを付け直し、投げ込んだ。
またまたいつものパターンか…。と早くも釣れないモードに気持ちが移りつつあった午前6時半。ロッドを持つ手を離さなかったものの、ボーっとして巻き上げているところにHIT!おおっ!来たか!ぐぐぐん、ぐぐぐん、と時折大きく潜り込む。かなり抵抗されたが、上がってきた。35cm。
イモグラブに反応した35cm
やはりイモグラブはおいしそうに見えるらしい。今日のワーム一発目、ということもあり、アタリの瞬間がわからず、その間にバスは針付きイモグラブをもぐもぐしてしまったようだ。つまり、フックを飲み込まれてしまっていた。悪戦苦闘の末、やっと外した。離すと意外に元気よく去っていった。
よし!釣れた。夏の盛りだというのに2日続けてボーズをのがれた。これは自分的には非常に満足できる結果である。まだ6時半だから、まだまだ望みはある。2匹目を目指して今度は同じイモグラブでも、ジグヘッドにリグった。しかし、反応なし。お隣では魚探を駆使して底の倒木を見つけた人が立て続けに2匹釣り上げているようだった。うむ、メモメモ。当分空きそうもないその倒木のポイントは後に取っておいて、場所を大橋下の流れ込みへ移した。休日なら必ず人がいるこの場所も今日は誰もいない。心ゆくまで投げ込めるゾ!と気合を入れて投げた一投目。流れ込みのちょうど真下へと着水した瞬間にバイト。合わせるとぐぐぐぐんっ!と横へ走り始めたが、すぐにばれてしまった。巻き上げると仕掛けはそのまま付いており、気合を入れたものの、まさか一投目からくるとは思わなかったため、あわてて早合わせになってしまったようだった。その後、20分くらい同じ仕掛けで投げ、反応を得られず、ワームを変えた。スライダーの3インチワーム、パープル。これは神田のGILLというお店で10本100円という値段で買ったものだが、別に不良品ということではない。ゲーリーのパープルとは違い、かなり明るい色だ。これはスプリットショットにリグった。同じ場所で何度も投げ込むが、反応が無い。結局場所を移動。大橋をくぐり、いつものつばきもと周辺へ行ってみましょう。
つばきもとに入る直前に、いい感じの立ち木場所が、メインチャンネル側にある。夏のパターンからすれば、この木の奥の方ではなく、日向ではあるが、意外に一番沖側の太い木がいいのではないか、と考え、少し離れた場所からスライダーの3インチパープルをいろいろな角度から投げ込んだ。すると3投目。またしてもバイト!うわっ!きたっ!と思い、合わせると、今回はしっかりかかったようだ。ぐぐぐん、ぐぐぐん、ばしゃっ!あ。跳ねた!…あ。ばれた…。なんだよぉー。こんどは跳ねて逃げてしまいやんの。ワームも取られて、うーん、くやしいなぁ。それでも、日向なのにバスがいて、しかも食ってきたことがわかったのは大きい。
つばきもと対岸まで来た。つばきもとは今日はお休みかな?というくらい桟橋にはボートがたくさん繋がれている。一度経験すればわかることだが、つばきもとの桟橋へ通じる階段は、新撰組の池田屋階段落ちも真っ青の30段以上ある急なもので、ここを荷物ぶら下げで上がり下がりするのは非常に大変だし危険だ。ワタシは5月に一度経験し、懲りてしまい、その後は一度もつばきもとを利用していない。さすがに月曜日に亀山へ来るようなクロート衆はあんな危険な階段のつばきもとは利用せず、駐車場から桟橋までスロープで繋がるのむらボートを使っている。周りで釣っている人でつばきもとから出ている人は全然いなかった。つばきもとの桟橋に横付けして釣っている少年バサーも、よく見ると乗っているのはのむらボートだった。
いつものつばきもと対岸。ここはHIDEさんの定番ポイントだ。小ワンドが連続してあり、その入り口には立ち木が湖から顔を出している。スライダーが取られてしまい、今度は何を投げようかな、とワーム入れをごそごそ。そうだ、一度しか使っていないケイテックの4インチカスタムリーチを使ってみましょう。リーチとは蛭のことだが、たしかにそんな感じの形だ。リーチといえばロボワームから出ている3インチのリーパーが有名だが、それよりもこのワームの方がよく動きそうだ。普通なら常吉にしてちょんがけが基本のはずだが、またも一つ覚えのスプリットショットにリグった。今日は立ち木で当たりが良くあるため、それが今日のパターンだと判断した。小ワンド入り口にある立ち木の中でも一番大きいものを目掛けてリーチを投げ入れる。着底までしばらく待ち、あとはゆっくりゆっくり巻き上げる。そんなことを繰り返した4,5投目。引いていたリールが重くなる感覚。ひょっとしてアタリか?明確なガツガツっとしたアタリではない。来たッ!アタリだ!一呼吸置いてからグィッと合わせるとフッキングし、バスがぐぐぐん、ぐぐぐん、とラインを引っ張りだす。この瞬間は何度味わってもいい。生き物とのやり取りは他の一切を忘れさせるほど魅力がある。上がってみると33cmだった。時に午前11時。亀山で2匹上げたのはワタシとしては新記録である。
カスタムリーチにかかった33cm
今日のパターンは木のそばに決まり。その後も木を目印に投げつづけるものの、アタリを取れず。時間はそろそろ正午。のむらボートさんに頼んでおいた弁当を取りに行く時間が近づいてきた。一旦桟橋へ上がって弁当を取りに行く。そのあと飲み物を買って再びボートへ。ボートの上で食事をすることにした。午後の一投目はせっかくだから大橋下の流れ込みへ。そろそろさっきのほとぼりもさめてアタリが取れるのではないか、と期待してケンクラフト・ソルティブラッドの4インチグラブをスプリットショットで投げ込んだ。しかし、10分たっても無反応。ゲーリーヤマモトのカットテールのウォーターメロンを投げたが結果は同じ。やはり今日は立ち木なのだ。そう思い、移動することにした。
さて、何処へ行くか…。昼を過ぎると亀山は人がずっと少なくなる。日曜日でさえそうなのだから、平日の今日はなおさらだ。そうだ!さっき魚探で「ここに倒木が…」といわれていた場所へ行ってみましょう。午後1時過ぎに竹やぶ下のあの場所へ到着。ははぁ、ここか。確かに木が横たわっている。でも魚探で見るまでも無く、水面すれすれではないか。午前中は日陰だったここも、午後に入り今は日向である。周りに人は誰もいない。ロープレッシャーの最たるものだ。根がかりを嫌って、木に対して平行に引いてくることにした。付いたままのカットテールをそのまま投げた一投目。ぐっとロッドが重くなった。お!一投目から来たゾ!合わせるとフッキングしたようで、横へ泳ぎだす。んー、やっぱりこの場所は水通りもいいし、バスが付きやすいみたいだな。上げてみるとまたも33cm。さっきのがここまで移動してきたわけではないよね?
木の中から出た33cm
なんと、一投目で来た。ここは良いみたいだから少しネバってがんばってみることにした。ただし、何投かしてみてわかったが、やはりこの下にも木があるようで、結構根がかりが多い。何回もワームを持っていかれた。かなり複雑な構造になっているようだ。これはますますバスがいっぱい居そうである。根がかりにもめげずに持っているいろいろなストレート系のワームをスプリットショットにリグっては投げた。
それからしばらくは反応が無い。2時少し前、ワームを投げてばかりではつまらないので、ベビトーを倒木のそばに投げ、引く。じゃっじゃっと音を出して、水面下を少し活性化させようと考えた。その後投げたカットテールのパープルペッパーに反応!ん!出た出た。すごい引きだ!ロッドが目の前でしなる。かなり激しいやり取りの末、とりあえずボートの中に引っ張り上げた。すると暴れてとたんにフックが外れてしまった。びしゃびしゃ、ばたんばたんとボートの上で跳ねる暴れる。ずいぶんと元気が良い。計ってみると38cm。自己新記録である。
新記録38cm
TOPで活性を上げてからワームで釣る。ロドリに書いてあったこの方法が実現した。空はいつのまにか雲が広がり、日差しはあまりきつくなくなっていた。ピーカンよりも曇りの方がバスの反応がいい、と聞いていたが、ロープレッシャーと曇り空の組み合わせは、かなり効いていると思えた。こうなってくるとストレート系ワームなら何でも釣れるような気がしてきた。スティックベイトの代表格、スラッゴーの3インチを投げ始めて10分ほど経った頃、ん?根がかりかぁ?とロッドをあおると確かに倒木にラインが引っかかっていた。しかし根がかりにしては生物反応がある。ときたまプルプルと伝わってくる。おかしいな?と思い、すぐにラインを切ろうとせず、ボートを倒木に付けてよく見ると、バスが食っていた。どうやらバイトした後、木の下に潜り込んだため、最初は根がかりと勘違いしたようだ。うーん、どうやって取り込もうか。潜り込んだバスが時折水面下で暴れている。ラインを切ってしまってはつまらない。出来れば引っ掛かりを外し釣り上げてやりたい。あれこれロッドを振ったり、ラインを引っ張ったりしていたら運良く外れた。するといつもの時のようにぐぐぐぐんっと元気に泳ぎだした。少し小さかったのでその後はすぐに取り込んだ。27cm。よくラインが切れなかったものだ。フロロって見かけよりもずっと強いようだ。
木の下へ逃げ込んだ27cm
ほとんど連続である。この倒木はあとどれだけバスをストックしているのだろう。
またしばらく反応が無い。そうなると先ほど覚えたベビトーをあたり一面に一度通す。するとどこかしらでボイルが起きるのである。3時を過ぎた。倒木とは違う近くの立ち木でボイルが起きた。見ると30cmくらいのバスが3匹、追いきれなかったベイトを逃し、興奮しているようだ。すかさず、その木のそばにたまたま付いていたカットテールのパープルペッパーを投げた。すると、なんと食ってきた。見えバスと対決するのは初めてだが、ボイルしたてのバスなら興奮しているから食ってくるようだ。上げてみると28cmの元気なバスだった。
見えバス28cm
さて、今度は何で釣るか。TOPでは釣ったことがないくせに、本気でTOPプラグを投げない。投げないことにはいつまでたってもTOPでバスを釣れないだろう。わかってはいるのだが、付けたのはズームのミートヘッド4インチのパープルウォーターメロンである。見えバスを倒木とは少し離れた立ち木のところで釣ったので、また元の倒木へ寄せてからミートヘッドを投げ入れた。3投目でHIT!上がってきたのは34cm。なかなかのサイズである。
ミートヘッドに反応した34cm
10分で一匹釣れている。これを「いい思いをした」と言わずして何と言おう。バスをハゼ並みに簡単に釣り上げた今日は、4月から今までで最良の日となった。その後は約1時間この場所でねばったが、一度バラシがあったものの、とうとうバス切れをおこしたようで、1匹も上がらないようになった。こうして釣り上げたバスの写真を見比べると、ひとつとして同じ顔、体形をしたものが居ない。人間の顔が違うように、バスの顔も一つ一つ違うのだ。
5時になり、下船。上がり際、盛んに首をひねりながらボートの掃除をする店主と話しているカップルが居た。あの様子では思うように釣れなかったのであろう。「今日は釣れ釣れでした!」というセリフがここまででかかったが、しっかり飲み込んだ。
今日釣り上げた全てのバスはスピニングのバスワンXT2601−2にアルテグラ2500の組み合わせであった。38cmと格闘しているときにも充分に対応してくれた。バスワンは5,000円、アルテグラは7,000円くらいで購入したが、特に不満は感じない。高価なロッドが良いのはアタリマエだが、安いバスワンでもそれなりに対応できたことがうれしい。昨日今日の2日で9匹釣り上げ、ワタシの所有するロッドの中で一番の働き者になった。4月に始めて昨日までに釣ったバスが7匹。今日釣ったバスが7匹。いきなり昨日までの数を一日で釣り上げてしまった。こんな日もあるのだ。いい思いをさせてもらったこの倒木ポイントに感謝したい。
5匹釣り上げた倒木ポイント
1999年8月記
